日勤のみにしたら給与はどう変わるか——公的統計の読み方

要点

「日勤のみにすると給与が下がる」と言われる理由は、基本給そのものより、夜勤手当と時間外手当がなくなる分が大きいからだ。公的統計の平均値は夜勤ありの働き方を含む数字なので、日勤のみの収入を考えるときは、そのまま当てはめない読み方が必要になる。

公的統計の平均は「夜勤あり込み」の数字

厚生労働省「令和7年賃金構造基本統計調査」によると、看護師の平均は「きまって支給する現金給与額」36万5,900円、年間賞与等を足した年収目安524万7,200円、平均年齢42.1歳とされる。

ただし、これは夜勤を行う人を含む平均である。夜勤手当や時間外手当が上乗せされた状態の平均値なので、「日勤のみなら年収524万円前後になる」という読み方はできない。平均はあくまで全体の目安で、日勤のみの金額は求人票ごとに確認する必要がある。

年収を押し上げている2つの要素

看護師の給与は、大きく「基本給+各種手当」で構成される。日勤のみの働き方で影響を受けやすいのは、次の2つだ。

  • 夜勤手当:夜勤1回ごとに支給される手当。回数が多いほど月の総額が増えるため、夜勤の有無は収入への影響が大きい
  • 時間外手当:残業や夜勤帯の勤務に対する割増分。日勤のみでも残業があれば発生するが、夜勤帯の割増がなくなる分は小さくなる

つまり、日勤のみで下がりやすいのは「手当の部分」であり、基本給は勤務先や経験年数によって別に決まる。求人を比べるときは、総額ではなく内訳を見ることが大切だ。

仮想例:夜勤手当がゼロになると

以下は、仕組みを理解するための仮想例であり、実在の求人の金額ではない。

夜勤手当が1回8,000円で月4回夜勤に入る場合、手当は月32,000円、年間では384,000円になる。日勤のみになってこの手当がなくなると、基本給が同じでも年収はこの分だけ下がる計算だ。

実際の手当額や回数は求人によって異なるため、自分の条件に置き換えるには、求人票に書かれた夜勤手当の単価と想定回数で計算し直す必要がある。

「日勤のみ=楽」ではない点

収入面だけでなく、働き方の中身も確認したい。日勤帯は検査・処置・カンファレンスなどが集中しやすく、日勤のみだから業務が軽いとは限らない。また、施設によっては土日勤務や早番・遅番が日勤に含まれる場合もある。「夜勤がない」ことと「負担が小さい」ことは分けて考え、勤務時間帯と休日の条件を求人票で確認することが大切だ。

求人票で比べる手順

  1. 基本給と手当の内訳が分かれているかを見る(総額表示のみの求人は内訳を確認する)
  2. 夜勤手当の単価と、想定される月の夜勤回数を確認する
  3. 賞与が基本給の何ヶ月分か、算定の基礎を確認する
  4. 日勤のみの求人同士で比べるときは、手当を除いた基本給と賞与で比較する

まとめ

  • 公的統計の平均は夜勤ありを含む数字で、日勤のみの収入にそのまま使えない
  • 日勤のみで下がりやすいのは基本給ではなく、夜勤手当・時間外手当の部分
  • 金額の判断は平均値ではなく、求人票の内訳(基本給・手当単価・賞与)で行う

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